女友達と居るときのがいい顔してんじゃん。
そう思ったら負けだ。
俺がそれだけの存在でしかないと実感してしまうのだから。
月並みの恋を彼女は
俺が彼女に手を差し出すと、彼女はそれをしっかり掴んだ。
冷え性だったっけ。
その手がかなり冷たい。
「リョーマくん。」
彼女が隣で小さく呼びかけた。
俺はそれと同じように小さく返事をした。
「筋肉がついたね。」
少し微笑んでそう言った。
手を繋いだだけで分かるのか。
そして一週間前と現在の違いが分かるのか。
俺でさえも気づかなかった。
(やっぱり俺の竜崎。)
満悦な俺の心理とは裏腹に、彼女は表情を曇らせた。
「・・・なんでそんな顔すんの。」
彼女は首を振った。
首振ったってわかんないよ。
言葉に表すのが苦手な彼女らしいけど。
「ねえ、竜崎。」
促すように俺が言うと彼女は耳まで真っ赤に染めた。
泣かせるかな。
ヤバイ。
「・・ごめんなさい・・・」
うつむいたまま彼女はそう言った。
俺は足を止めた。
彼女はそれに気付いて俺を見た。
ほんとに壊れるんじゃないかと思った。
涙目だし、顔赤いし、吐く息は白いし。
きれいだった。
「竜崎?」
彼女は俺から目を逸らして泣き出した。
俺は膠着した。
泣かせた。
重くのしかかる彼女の涙。
涙の量と比例して俺の重みも増える。
「リョーマくんはテニスが大好きで、」
ふと、彼女が鼻声で喋りだした。
そして懸命に涙を堪えようとした。
「私はそれ以上にリョーマくんが好きなの。」
俺はなんという計算ミスを。
俺ばっか好きだと思ってた。
彼女も、俺を好きだったんだ。
遠くから見てて、辛かったのは俺だけじゃなかった。
しかも彼女は性格上、想いを巧く伝えられない。
もどかしさでは彼女の方が上だ。
俺は彼女を抱きしめた。
彼女のせいで気が狂う。
「テニスなんかあんたにかかればどうでもいい。」
彼女は俺の胸の中でどんどん体温が増していった。
冷え性は俺と居るときはだいじょぶそうだ。
「本気で好きなんだよ。」
最後にそう付け加えると俺は彼女を解放した。
てっきり真っ赤になって目を逸らすと思った。
俺もまだまだだった。
彼女は照れ笑いをして頷いた。
(重症だ。)
俺はまだまだだ。
でも彼女にこのセリフを言ってやりたい。
あなたもまだまだだと。
俺と同じ位地に立っているのだと。
なぜならあなたは俺を望んだのだから。
不安の元凶の、
俺を選んだのだから。
Fin
----------------------------------------
すごいリョーマが桜乃のこと大好きっぽいね。
原作じゃありえないね、アニメはともかく。
だからこうやって脳内補充ですよ。
・・・さみしい!
ブラウザバックで戻ってください。