男子生徒の戯れる校舎前。


しっとりした夕焼けが目にしみるとき、


俺は好きな人を前にして大人になれない。


それは君の天然


彼女は俺を待っていた。

相変わらずの真っ赤な顔だった。

「リョーマくん・・」

小さな声だったけど聞き逃すことは出来ないと、

俺は必死でその声を追った。

「ん、」

俺が反応すると、彼女は遠慮がちにこちらを見た。

みつあみが少し揺れた。

「帰るんでしょ。」

今日、桃先輩の誘いを断った。

先輩は不機嫌そうに俺を睨んだ。

そんなこともどうでもいいくらい、俺は彼女と帰ることに気がいっていた。


「ほら。」

彼女が少し戸惑うので、手を差し出してやる。

案の定、彼女は赤い顔をもっと赤くさせた。

でもそういうのって、俺にとっちゃ結構嬉しいんだよ。

自惚れかもしれないけど、(でも100%に近い。)彼女が俺を好きなんじゃないか。

そう思うんだよ。

「ごめん。」

俺はそう呟いて、手を下ろした。

彼女は強張った肩の力を一瞬抜いた。

それを見計らって俺は歩き始めた。


後ろから、俺の足音に被る彼女の足音。

これで満足してる俺が怖い。

夢で彼女の唇を吸い、白い肌に触れたことが嘘のようだ。

現実はこんなものか。


「竜崎、あのさ。」

俺は立ち止まって、彼女を振り返った。

竜崎も顔を上げて俺を見た。

「俺、すきだから。」

一世一代の告白だったが、彼女はしばらく黙っていた。

通学路を歩く、生徒達。

向き合った俺たちを指差し笑っている。

「・・・テニス?」

有り得ない答えが返ってきた。

俺はその答えを反芻できず、唖然としていた。

「私も好きだけど?」

さっきまでもじもじしていた彼女が微笑んだ。

どこまで俺は待てばいいんだ。

また夢の中でしか彼女を抱けない。

「・・・そーだよ。」

仕方が無いので俺は嘘をつくことにした。

彼女は不思議そうに目線を逸らす俺を見た。


告白は失敗だ。

向こうの気持ちはみえみえなのに、俺は未だ彼女としゃれ込めない。

まだ悔しさの抜けない俺の脳裏に、彼女の声が浮かぶ。

俺の目の前からの、朦朧とした俺を呼ぶ声。

心配そうな彼女の手が額にせまる。

その手を引く勇気すらないのに。

夢でしか大それたことができないくせに。


俺は仕方の無い嘘ばかりを連れ、

俺は仕方の無い才能ばかりを連れ、


自分の円熟した望みを成し遂げる為のいい訳ばかりを探す。


Fin

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これが初挑戦のリョ桜でした。
初挑戦にもかかわらず、リョーマが変です。
これからずっと変です。
わたしはリョーマを勘違いしてるようです(汗


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